富山湾における「うねり性波浪」対策検討技術委員会

富山湾における「うねり性波浪」対策検討技術委員会の設置について

1.設置目的

 平成20年2月23日から24日にかけて、発達した低気圧の影響により北日本の日本海側

 地域を中心に、高波や暴風による被害が相次ぎました。

 富山県内では、波に流されるなどして2人が死亡、家屋や倉庫等の損壊・浸水は約300棟 にのぼったほか、沿岸部では海岸や漁港、そして港湾施設にも大きな被害が発生しました。

 港湾施設については、伏木富山港の伏木地区の北防波堤で、全長1500mのうち約800m にわたって最大で12メートル陸地側へ押し込まれる被害を受けたほか、臨港道路や、港湾緑地 で冠水による被害をうけるとともに、同港新湊地区においても防波堤が一部決壊したほか、岸壁 ・物揚場・護岸で上部工、車止めや防舷材等に、臨港道路や緑地で冠水による被害を受けました。

 富山湾を襲い、港湾施設にも被害をもたらした今回の波浪は、国土交通省港湾局の全国波浪観 測情報網(ナウファス)の観測データによると、通常より長い周期を持つ「うねり性波浪」であ り、この波浪が断続的に来襲したことが確認されています。この「うねり性波浪」は地元で 「寄り回り波」と呼ばれています。「寄り回り波」は日本海北部の暴風域で発生・成長したうねり が、長い距離を伝播して富山湾へ到達するものであり、あたかも各地を寄って回るように来襲す るため古くから「寄り回り波」と言われています。

 本委員会は、港湾施設等に多大な被害を与えた「うねり性波浪」の対策を北陸地方整備局港湾 空港部と富山県が共同で検討するものであり、今回の被災状況および波浪等の気象海象を取りま とめ整理するとともに、観測データの解析等を通じて富山湾における「うねり性波浪」の特性把 握と港湾施設被災のメカニズムを明らかにし、今後の対応策について技術的な検討を行うことを目的として設置するものです。


2.委員会の開催について

第1回委員会  平成20年3月6日開催   資料は こちらへ

第2回委員会  平成20年3月27日開催  資料は こちらへ

第3回委員会  平成20年6月19日開催  資料は こちらへ


3.報告書

報告書概要版 (pdf 2,781kbyte)

報告書本編 (pdf 4,525kbyte)

報告書巻末資料 (pdf 1,618 kbyte)

高波発生メカニズム共有に関するWGの設立について

1.設置目的

 先の高波については、港湾以外にも大きな被害をもたらしました。そこでこの高波に関するそれぞれの技術情報を持ち寄り共有するとともに、専門的見地からの意見交換を行うため、関係部局が連携して「高波発生メカニズム共有に関するワーキンググループ」を設置しました。


2.ワーキンググループの構成

 座 長 佐藤 愼司 (東京大学大学院工学系研究科教授)

     高野 洋雄 (気象庁地球環境・海洋部海洋気象情報室調査官(気象研究所併任))

     中山 哲嚴 (独立行政法人水産総合研究センター水産工学研究所水理研究室長)

     平石 哲也 (独立行政法人港湾空港技術研究所海洋・水工部長兼海洋研究領域長)

     諏訪 義雄 (国土技術政策総合研究所河川研究部海岸研究室長)

     水産庁 整備課

     水産庁 防災漁村課

     河川局 海岸室

     港湾局 海岸・防災課

     港湾局 技術監理室

     気象庁 企画課

     北陸地方整備局 河川部

     北陸地方整備局 港湾空港部

                              ※敬称略、順不同

  (オブザーバー) 国土地理院

           海上保安庁

           富山県

           新潟県等

 

3.ワーキンググループの開催

   第1回ワーキンググループ 平成20年3月21日(金)開催

   第2回ワーキンググループ 平成20年4月17日(木)開催

   第3回ワーキンググループ 平成20年8月29日(金)開催

       第3回ワーキンググループの議事録はこちらへ  (pdf 99kbyte)


 今回の「富山湾における「うねり性波浪」対策検討技術委員会」資料の公表は、上記の「ワーキンググループ」の設置にあたり関係機関の情報共有のため行うものです。



※ 高波発生メカニズム共有に関するWGメンバーの資料公開ページへのリンク

国土交通省河川局 高波災害対策検討委員会資料の公開ページへ
http://www.mlit.go.jp/river/kaigan/index.html


水産庁 平成20年2月の日本海高波浪に関する技術検討委員会資料の公開ページへ
http://www.jfa.maff.go.jp/j/study/seibi/index.html



気象庁 第1回、第2回「高波発生メカニズム共有に関するワーキンググループ」の資料掲載ページへ
http://www.jma.go.jp/jma/press/0806/06b/takanami_1_2.html